営業施策やマーケ施策のプロジェクトがうまくいかなくなるとき、
そこに怠慢ややる気不足があるケースは、実はそれほど多くありません。
むしろ多いのは、
真面目で、考えていて、議論もしているのに崩れていくケースです。
立ち上がりは順調。
初動の数字も悪くない。
現場の空気も前向きで、「これはいけそうだ」という感触もある。
それでも、途中から数字が落ち始める。
そして、その瞬間からプロジェクトは静かに壊れていきます。
数字が伸びなくなると、焦ります。
すると自然と、こんな思考に入ります。
・やり方が悪いのではないか
・もっと良い施策があるのではないか
・このまま続けるのは危険ではないか
そして、議論が増えます。
タスクが増えます。
設計をいじり始めます。
どれも間違いではありません。
ただ、このタイミングでやると、だいたい逆効果になります。
なぜなら、多くの場合、問題は「やり方」ではないからです。
振り返ると、プロジェクトが崩れた原因はとてもシンプルでした。
・役割が曖昧になっていた
・誰が全体を見るのか分からなくなっていた
・フィードバックが現場まで届いていなかった
・目標が数字ではなく「作業」になっていた
施策そのものは、間違っていない。
やるべきことも、たくさんやっている。
それでも成果が出ないのは、プロジェクトの設計と循環が壊れていたからです。
会議は増えるのに、現場の温度は下がる。
数字は見ているのに、使われない。
この状態になると、プロジェクトは一気に疲弊します。
もう一つ、見逃せないポイントがあります。
それは、現場を支えるメンバーの温度感の変化です。
立ち上がり直後、数字が出始めた頃は、
・手応えがある
・褒められる
・空気がいい
こうした状態になります。
すると、人は少しだけ安心します。
「この感じなら、まあ大丈夫だろう」
「前と同じでいけるはずだ」
これはサボりではありません。
慣れです。
ただ、プロジェクト側がここをケアしないと、その慣れは、少しずつ“だれ”に変わっていきます。
・声かけが減る
・基準が曖昧になる
・数字への緊張感が薄れる
そして数字が落ち始めたとき、急に厳しくする。
これが一番よくない。
現場からすると、
「さっきまで良かったのに、なぜ?」
という感覚になります。
だからこそ必要なのは、
・いいときほど、基準を言葉にする
・緩んだ空気を、軽く戻す
・締めるときは、早く・短く・一貫して
厳しさは、数字が落ちてからでは遅い。空気が良いときにこそ、運営の仕事があります。
数字が落ち始めると、運営側はどうしても厳しくなります。
・なぜ取れていないのか
・もっと数を打てないのか
悪気はありません。
むしろ「なんとかしたい」という必死さからです。
ただ、現場から見ると、急に評価される側に回ったように感じます。
すると、
・本音を言わなくなる
・工夫を出さなくなる
・言われたことだけやる
という状態になります。
空気が切れたままの厳しさは、現場を動かすどころか、黙らせてしまいます。
プロジェクトで一番大事なのは、みんなでやっている感覚です。
数字が良いときは、多少厳しくしてもいい。
でも数字が悪いときほど、褒める。
・やっていることを認める
・挑戦を肯定する
・一緒に戦っている空気をつくる
これがなくなると、
議論だけが増え、行動が減り、静かに自滅します。
プロジェクトは、楽しいイベントでなければ続きません。
プロジェクトマネージャーが守るべきことは、たった一つです。
方向を変えないこと。
成果が出ないときほど、やり方を変えたくなります。
でも本当に必要なのは、
・目標を毎日見ること
・フィードバックを回し続けること
・現場に声をかけ続けること
この地味なことを、ブレずに続けることです。
プロジェクトマネージャーの仕事は、正解を出すことではありません。
方向を固定し、空気を保ち、やり切らせること。
プロジェクトが苦しくなると、誰かが一人で抱え込み始めます。
でも、それは美談ではありません。
守るべきなのは、個人の頑張りではなく、役割が機能する構造です。
・誰が決めるのか
・誰が現場を見るのか
・誰が数字を背負うのか
この話は、特定の施策の話ではありません。
・営業キャンペーン
・新規開拓
・インサイドセールス
・マーケ×営業連携
すべてに共通します。
設計が命。
途中で方向転換しない。
フィードバックを循環させる。
みんなで一つの目標を見る。
議論を重ねる前に、まず同じ方向を向く。
プロジェクトを成功させるコツは、実はそれだけです。
これが明確であれば、人は無理をしなくて済みます。